トップの頭の中のイメージと実際の売り上げは連動している事実

組織

企業にとって、売り上げはすべての生命線です。売り上げが上がらないと設備投資や人材育成などに回す余力が生まれず、企業活動は停滞・縮小し、発展は見込めません。それどころか、企業を危うくするのも、売り上げです。売り上げの動向はそれほど、企業にとって最も重要な指標であり、売り上げの低迷や減少に悩んでおられる企業は多いことでしょう。では、売り上げが上がらない最も大きな根本の原因はなんなのでしょうか?トップの頭の中のイメージが実際の売り上げに影響する力は実はとてつもなく大きいのです。

 

売り上げが上がらない本当の理由

(1)人材や能力、環境が原因?

では、売り上げはなぜ上がらないのでしょうか。その理由は、一般論としては容易に浮かびます。果たしてこのような一般論が本当に大切なファクトなのでしょうか?しっかりと掘り下げて考えてみる必要があるのです。

・人材がいない

・組織が機能していない

・戦略が誤っている 

・サービスが悪い

・経営陣の連携がとれていない

・社長が良くない

・コミュニケーションが十分でない

・経済環境が悪い

・製品に競争力がない

ざっと考えても、上記のような理由を思いつきます。ところが、自社を顧みた場合はどうなのかというと、自分たちではなかなか特定できないものです。恐らくいくつかの要因が重なって、売り上げの伸び悩みにつながっていることでしょう。

原因が特定できないと、的確な打開策が見つからず、あるいはせっかく打った手が効果を発揮せず、肝心のPDCA(Plan、Do、Check、Act)サイクルが改善しないということが起こり得ます。

ですから、売り上げが目標をクリアしない場合、企業、特に中小企業ではコンサルタントを入れて、その原因を探ってもらうとともに解決策について提案を受けます。その際にコンサルタントは恐らく、以下のようなことを指摘するでしょう。

・消費者を分析する必要がある・マーケットの分析ができていない

・ブランディングが必要である

・現場のモチベーションが低い

・営業部隊の努力が不足している

・マネジャーに統率力がない

・社員一人ひとりが、持つべき経営者目線を持っていない

果たしてこのようなビジネスにおける行動のみが本当に売上に最も営業しているファクトなのでしょうか?もちろん行動やテクニックは売上に直接リンクしていくことに疑いはありません。ただし、個人でも組織でもなにをやるにしても行動よりも先にイメージやマインドが結果に大きく結びついていることも疑えない事実なのです。

 

トップの思考に焦点を当てよう

多くの企業の売り上げアップの相談に応じてきた私の経験から言うと、重要なのはそんなことではありません。売り上げを押し上げたり停滞させたり、あるいは押し下げるのは、その組織で最も影響力を持っている人、つまり、

トップが持つイメージ、思考

なのです。それは、トップがオーナー経営者であろうが、雇われ社長であろうが変わりはありません。

トップに立つ人というのは、頭の中のどこかに、いつまでたっても売り上げが上がらないのではとか、これからさらに売り上げが落ち込んでいくのでは、などという不安や恐怖がよぎっているものなのです。

 

そのせいで、つい、売り上げ低迷を営業や管理、開発など、目に付きやすい組織のいろいろなところのせいにして、「お前ら、何とか売り上げを上げろ」と号令をかけるだけになってしまいがちです。言い換えれば、現場のテクニックこそがキーポイントと思い込み、そこに過大な期待をかけ、責任を押し付けることになってしまうのです。

そうした号令一つで良くなるなら経営は簡単なものですが、そううまくいかないのはお分かりでしょう。経営の要素は、単純化すると2つの柱に分けられます。それはイメージとテクニックです。

採用や社員教育のあり方や事業の方向性を決めていく行動などは、基本的にテクニックに分類されます。いわば戦略や戦術の部分です。

しかし、その戦略や戦術は、誰がどのような考えで生み出すのでしょうか。それはトップの思想やトップが持つイメージにほかなりません。それが戦略戦術に強くかかわっているのは間違いありません。というより、トップのイメージがしっかりしていないと、真に有効な戦略戦術は生まれないし、掛け声倒れに終わってしまうのが関の山なのです。

何をするかよりも根本的にどんなイメージを持って行動をするのかということの方が基礎的であり、影響力を多く持つことが多くあります。トップの持つイメージの役割と存在感は行動の基盤となり、行動や結果に大きな影響を与えるのです。

 

イメージが実現可能性を高める

経営の2本の柱であるイメージとテクニックの関係は、個人のケースを考えると、より分かりやすくなります。

例えば、東大に入りたいと思っている人が2人いるとします。A君は頭が良くて頑張り屋で、勉強のテクニックも分かっていて、それを駆使して一生懸命頑張ります。しかし、周りには東大はもとより大学を目指す人もいなければ、勉強を頑張る人もいない。一方のB君は、偏差値やIQはA君ほど高くはないが、両親ともに東大を出ていて、同じように遊びながらも東大を目指している友達や先輩も多い。そうした2人を比べたら、どちらが東大合格の可能性が高いかというと、間違いなくB君なのです。

 

なぜなら、A君はどんな勉強をしたら東大に合格できるかという方法論こそ持っていますが、東大に合格する自分を具体的にイメージできないからです。これに対し、B君の方は生まれたときから東大が当たり前という環境にいるわけですから、東大に通っている自分、そこから飛躍して活躍している自分さえイメージでき、東大に受かるんじゃないかなというポシビリティを、非常に高い納得感とともに持つことができます。その部分の差が非常に大きいのです。

東大入学の話は、

周りの人が当たり前のように行っていることは、自分にとっても当たり前になる

ということなのです。

また、別の例をだすと、ある人の知人に、上場会社のオーナー社長として資産数十億円という人が何人もいて、常に自由になるキャッシュを数億円は持っているとします。数十億とか数百億とかいう話を普通にしているのです。そういう知人がいて、億円単位の会話が周りを飛び交っていたら、5000万円とか1億円という話を聞いても驚きません。私が実際にはいくら持っていて、自由になるお金がいくらあるかには関係なく、5000万円を手に入れることが難しいとは思わなくなるわけです。それどころか、5000万円くらいだったら俺にも稼げるだろうと思うようになっているのです。

普通のサラリーマンだったらどうでしょう。5000万円稼ぐなどという話をすると、「何をバカなことを言ってるんだ」「無理に決まってるだろう」と周りから変人扱いされ、夢の話だと一笑に付されるでしょう。そんな夢の話をするより、コツコツ仕事しろよと諭されるのが関の山です。

普通の人たちが億単位の話をするとしたら、せいぜいジャンボ宝くじで3億円とか10億円が当たったら人生変わるだろうなというくらいでしょう。でも、資産家たちからすると、それこそがバカな話なのです。当たるかどうか分からない宝くじに夢を見るなんてバカかと思うでしょう。努力すれば稼げるのが分かっているのですから、そんな夢を見ないのは当然です。というより、見る必要はないという方が正確かもしれませんが。

言いたいのは、人の話とはいえ、30億円でも40億円でも稼げるのが当たり前なのだから、自分も5000万円くらいは稼げると思って5000万円稼ぎにいく人と、そんなのは夢物語、無理に決まっていると思いながら5000万円稼ぎにいく人の、どちらが稼げる可能性が高いかということです。

どちらがどんなテクニックを持っているかということは、ここでは関係ありません。どちらのイメージを持っている方が高い可能性を感じているかということです。その差を考えてみてください。

当然、前者でしょう。稼げるというイメージを持って戦略を立てるのですから、実現可能性も当然、高くなります。年収400万円、500万円という人たちは、5000万円も稼げるというイメージはなかなか抱けないものです。難しいだろうなと思いながら戦略を立てても、実現への道ははるかに遠いでしょう

ポイントはそこにあります。会社の売り上げが上がらない理由として考えられる社員の能力や組織の一体感のなさ、ひいては採用やマネジメントの問題などのファクターはすべてテクニックなのです。テクニックはもちろん必要です。しかし、過去に実績もないから無理だろうと思いながら使うテクニックと、成功のイメージを持ちながら使うテクニックは、まったく違うものなのです。絶対にいけるというイメージを踏まえたテクニックや戦略は、それ自体が成功のイメージをにじみ出す、あるいはそのイメージで従業員を感化するために、成果も上がるのです。

POINT戦略ありきではダメ

このことをぜひ分かってください。

組織や企業のトップのイメージの下に戦略が立てられているということこそ重要なのです。トップのイメージこそがビジネスの現状をつくり出しており、将来を左右するのです。

であるなら、売り上げアップのポイントは、もう分かりますね。人材でも商品でも戦略でもありません。現在売り上げが目標に達していないのなら、あるいは一段と飛躍したいなら、すべきことはまず、トップの頭の中のイメージを確立する、必要なら切り替え、修正することなのです。そのイメージの下で、組織や戦略をダイナミックに、ドラスティックに変えていくことが大きなポイントになるのです。

 

トップのイメージを磨き上げよう

トップの影響力はとても大きいものです。なぜなら、組織のトップはもともと大変優秀で影響力のある方が務めているはずだからです。影響力というそのパワーの源泉であるトップ、それをしっかりと正しい方向に向け、状況に応じて修正していく。そのうえで、トップのエネルギーを組織に最大限いい方向でぶつけていくこと、アプローチしていく道筋を作っていくことが重要なのです。

どんな戦略も状況も、イメージによってつくり出されています。イメージがあって初めて、実践に即した有効な戦略や戦術を考え出せるわけです。ですから、いいイメージ、言い換えれば、前向きに臨めるイメージであることが求められるのです

それが、ダメだろうな、難しいだろうなと思いながら絞り出していく戦略よりはるかに勝ることは、もうはっきりとお分かりいただけるでしょう。むしろ、後者のようにして無理やりに絞り出された戦略であれば、組織や会社をダメにしていくことすら危惧されます。

今まで述べてきたことを流れで表すとこうなります。

私たちが行っている企業に対するアプローチにおいては、組織全体を見るとともに、経営者の方のイメージ、頭の中を一緒になってつくっていくことを重視しています。ここをないがしろにして営業研修をやったり営業のモチベーションアップのための作戦を実施したりしたところで、売り上げが上がったとしても一時的なものに終わってしまいます。みんなの思考は確実に3週間で元に戻るでしょう。

 

だからこそ、経営の根幹であるところ、すなわち強い影響力を持つトップのイメージをまず良い方向に向けていくのです。そういう本質的な取り組みが売り上げを左右するのです。そうした考えに基づいた取り組みこそが、売り上げを上げていくのか停滞させるのか、あるいは下げていくのかという結果の、最も大元にある大切なことなのかなと思っています。

いかに強い成功イメージを持ち続けるかの具体的な方法論はそれぞれ個別性がありますので、優れた実績をもつコーチからのコーチングなどが有効であります。

組織力診断で
組織の課題が分かります

  • 経営理念が浸透してない
  • 売上が上がらない
  • 営業力が弱い
  • 約束事が徹底できない
  • 新規事業が立ち上がらない
  • 見込客の集客ができていない
  • 教育が一貫していない
  • トップが常に悩んでいる
  • 任せられない風土
  • 優秀な部下がいない
  • マネージャーが不足している
  • 役職者が増えすぎている
  • コミニケーション力が低い
  • 全体的にモチベーションが低い
  • ヒアリングができてない
  • 社長が自分らしくいれていない
  • メンバーの愚痴が多い
  • 打ち手がいつも中途半端
  • ひとのせいにする文化
  • 管理と営業が対立している
  • 営業力の個人差が激しい
  • 情報共有がされていない
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