多くの新人は仕事に対する「責任感」が薄いのが現実です。
・仕事が終了しないまま放置
・約束した事を守れない
などなど、責任感が不足しているために発生するマイナスはとてつもなく大きいです。
ここでは、何故新入社員の仕事に対する責任感が薄い原因と責任感を教育するためのポイントについて解説していきます。
目次
ビジネスの構造を知ると責任を持てる
学生気分が抜けきれない新人に「責任を持て!」と何度怒鳴っても意味がありません。
まず第一に「何故責任感を持たなければならないのか?」の理論ともなるビジネスの基本構造をしっかりと教えていくことが前提となるのです。
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ビジネスの基本を理解してもらう
・お金の流れの基本を理解する
当たり前の話ですが、お客様からいただいたお金が会社の収益となります。
つまり、社員の給与はお客様のお金が流れてきているということになります。
この基本構造を徹底的に理解しましょう。
多くの責任感のない新人は会社からお金をもらっていてそのお金はお客様からのお金という認識がとても希薄です。
「お客様からのお金で全社員が生活できている」という大切な事実を徹底的に理解することが第一に重要です。
・お客様の要望を想像する
つづいては、給与の原資を支払ってくれているお客様の立場に自分が立ったら何を求めるかを新人さんと一緒に考えていきましょう。
新入社員への質問①
お金を払ったら最低限求めることはなんですか?
回答の例
・約束を守る
・サービスの質が良い
・対応の質が高い
・信頼できる
・問題が起こらない
新入社員への質問②
お金を支払ったにもかかわらず、求めるものが守られなかったらどう思いますか?
回答の例
・約束を守られなかった
・サービスの品質が非常に低い
・全然対応をしてくれない
・信頼することができない
・問題ばかりが起こる
このようなことが起こったら「その会社のサービスは買わない」という回答になるでしょう。
つまりは、このようなトラブルを起こしていると給与の原資がなくなり生活ができなくなるわけです。
2つの質問で出てきた内容は全て「責任」につながる内容です。つまり責任が無いと理論的には給与が受け取れなくなってしまう流れなのです。
この基本を徹底的にお客様の立場に立たせて理解することが重要となります。
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当たり前にお客様を失う
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本来なら給与が得られない
大企業にいると一人のパフォーマンスが悪いからと言って全体のお客様を失うことがないので、このような当たり前の想定をすることができずに責任感を持てないのです。
なので、お金の流れと責任感をお客様の立場に立つロールプレイングなどを行いながら教育していくことがとても重要となるのです。
・3Cの基本を理解する
頑張ればなんでも認められる学生時代とは違い、お客様は結果を求めます。その理由はビジネスの構造にあるのです。
3Cの構造をしっかりと理解することで「結果への責任」の重要性が理解できるのです。
ビジネスは3つの「C」で構成される: ビジネス構造の3C(スリーシー)
COMPETITER:競合
CONSUMER:お客様
つまりジビネスは自社とお客様だけの関係ではなく、「競合」が存在するということです。
もしも自分の会社とお客様だけの関係であれば努力するだけで問題が無いことになります。
しかしながら競合がいることでお客様はどこの会社を選ぶのか「比較」するのです。
学校の中間テストや期末テストは頑張れば全員パスしますが、ビジネスは受験と同じで頑張った中から上位数%しか選ばれないのです。だからビジネスでは努力ではなくて結果への責任が求められるのです。
競合が存在する
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結果を出さなければ意味がない
この3Cの構造をしっかりとイメージをもって教育していくことで「結果責任」の必要性を理解してもらうことが必要なのです。
責任感がない原因は「学生生活」
新人が責任を理解していないポイントは学生時代の状況にあります。だれでも学生の頃は社会人とは正反対の待遇を受けながら生活をしています。
・自分がお客様の立場
・プロセスで評価される
上記の2点の条件のもと長い間生活をしているので、「自分がお客様であるという感覚」が抜けずにいるのです。
・学生時代は自分がお客様である
学校にお金を払って通っているので、基本的にはお客様扱いとなります。自分は何もしなくても、勉強を教えてくれてテストにパスするようにナビゲートしてもらえます。
ある程度の言われたことをこなしていれば問題が無い環境です。この環境から「責任」の本質を学ぶことは非常に難しいです。
・プロセス評価は諸悪の根元
試験など通過しなければいけない関門はもちろんありますが、ポイントはある程度頑張ったら簡単に通過できる関門ばかりということです。
ビジネスにおいてはいくら努力しても結果がでないことはいくらでもありますが、学生の時代は受験以外は努力すればクリアできることばかりの環境がベースの生活になっているのです。
この状況が社会人になっても抜けきれずに「自分がお客様感覚」のまま責任感を持てずにいるのです。社会人になるともちろん立場も評価のされかたも180度変わります。
・自分がお客様の立場
・プロセスで評価される社会人
・お客様への提供者
・結果で評価される
この変化を認識できないことが責任感の欠落にを引き起こしているのです。
このバックグラウンドを理解した上で、教育を行っていくことが重要となるのです。
責任教育のためのポイントのまとめ
責任感の希薄な新人に責任感の大切さを伝えるためのポイントは「怒鳴ること」でも「責任を押し付けること」でもありません。しっかりと順序立てて責任の教育を実施していことが大切なポイントとなるのです。
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ビジネスのお金の流れを理解
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お客様の立場で責任を考える
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ビジネスの構造(3C)を理解
ビジネスの構造を理解してお客様の立場に立った時始めて自らの心の中から責任感が生まれてくるのです。
私が研修を行なっている中では新人だけではなく多くの中堅社員や時に役員レベルのビジネスマンでさえも「責任」を理解していない方にお会いするケースは多くあります。
あらゆる研修や教育の中でも「責任感」を第一に伝えていくことをお勧めいたします。
仕事にもプライベートにも何より自分の人生に「責任」を持って生きていく人材を育てていくことが大切なことなのです。