組織の成功循環モデルについての解説と活用方法

教育・研修 組織

モデルの図

「うちの組織ってちゃんと成長できてる?」

組織の成功循環モデルを利用すると簡単に自社の「組織の状態」を評価することができます。ここでは組織の成功循環モデルの内容と活用方法について詳しく解説していきます。

 

本文の結論(クイックルック)

【成功循環モデルとは】
組織評価と組織の成長促進を実現するために開発されたモデル

【成功循環モデルには2つのサイクルが存在する】
・グッドサイクル
関係の質→思考の質→行動の質→結果の質
・バッドサイクル
結果の質→関係の質→思考の質→行動の質
※違いは最初のステップ

【グッドサイクルを作り出すためには教育が必要】
・関係性の重要性を理解する
・思考の重要性を理解する
※マネージャーが最も重要な役割を果します

 

組織の成功循環モデルとは

 

成功循環モデルの流れの図

 

組織の成功循環モデルはマサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱したモデルで、組織がどのようなプロセスで成長していくのかのフローを表現したモデルとなる。

成功循環モデルには2つのサイクルが存在する
・グッドサイクル
・バッドサイクル

自社の成功のプロセスをバッドサイクルの流れに陥っていないかを客観的に判断して、グッドサイクルに乗せるためのキッカケとなるモデルです。

 

グッドサイクルとバッドサイクルの特徴

グッドサイクル
①関係の質→②思考の質→③行動の質→④結果の質

①まずはお互いの関係性(信頼)を育む
②行動の理由をしっかりと理解し考え方を大切にする
③目的ある行動を大量におこなっていく
④上記のプロセスに基づき継続的な結果が出る

バッドサイクル
①結果の質→②関係の質→③思考の質→④行動の質

①結果を出すことをいきなり押し付ける
②結果ばかり求められ人間関係がギクシャクする
③行動の理由がわからないので思考が停止する
④受け身なので行動量が制限されてしまう

同じサイクルでも一番の違いは、どのファクターから着手するのか?です。バッドサイクルの組織が重んじるのは最初から結果です。対して、グッドサイクルが最初に着手するファクターは関係の質となります。

わかりやすい言葉になおすとグッドサイクルにのっているチームはは以下のような流れで組織をつくっていきます。

チームの連携を強化する→考え方を叩き込む→行動量を上げる→売上が上がる

 

組織の成功循環モデルで自社を評価する方法

自社をグッドサイクルかバッドサイクルか判断する最も簡単な方法があります。以下の質問を役員に投げかけてみてください。

質問1:社内のマネージャーが組織をまとめるときにどちらを先に着手していますか?
A 結果を出すための行動から着手
B 関係性の構築からしっかりと着手

質問2:行動量を上げようと考えたときにどちらのアプローチを優先しますか?
A 行動量を計測し行動量を増やすための指導をする
B 何故行動量が大切なのかを心から理解するまで教育する

質問3:結果がでていないメンバーに対しての指導方法はどちらですか?
A 数字が達成されていないことを指摘して責任感を持つように指導する
B 行動量を分析しまずは行動量の最大化を指示する

 

診断結果
A3個 B0個→ 完全なバッドサイクルで成長に問題がある組織です
A2個 B1個→ バッドサイクルの傾向が強いので注意が必要な組織です
A1個 B2個→ グッッドサイクルの傾向が強いのでポテンシャルの高い組織です
A0個 B3個→ 完全なグッドサイクルで問題無く成長を実現できている組織です

 

社内の状況を振り返ってみてAの回答が多い組織はバッドサイクルに陥っています。逆にBの回答が多い組織はグッドサイクルに乗ることができています。

 

バッドサイクルをグッドサイクルに転換するためには

グッドサイクルを作り出すために必要な行動はシンプルで以下の3点に徹底的にこだわり、チームをつくるときの順番を守ることです。

注意するべき考え方
・結果よりもまずは行動量に着目する
・行動量よりもまずは何故行動するのかの理由を落とし込む
・何故行動するのかの理由よりもまずは信頼関係を構築する

チーム作りの順番
①連携の強化
②行動理由の落とし込み
③行動量の最大化
④結果を出す

つまり「関係性の重要性」と「思考の重要性」を深く理解し、順番通りにチームを作っていけばグッドサイクルに乗せることが可能になります。

 

関係性の重要性を理解する方法

関係性をしっかりと強化するためには「上下関係の徹底」と「社内連携の重要性の理解」を実施する。

上下関係が曖昧なまま組織の関係性を向上させることが不可能です。

上司:意思決定をする・チームを目標達成させる
メンバー:意思決定に従う・個人の目標を達成する

上司とメンバーが双方で意思決定を行ったり、上司が意思決定だけで目標達成責任から目を伏せたり、役割と責任が不明確になったときに組織の関係性は弱くなるのです。

 

思考の重要性を理解する方法

アクションの理由を掘り下げた教育とマネジメントを実施することがポイントとなります。

もっと早く○○を終わらせろ!

△△という理由があるから○○を早く終わらせよう。
○○を終わらせることで□□のメリットもあるから頑張ろう。

ひとつの指示でも本質的な理由(△△)と、達成したときのメリット(□□)がしっかりと存在します。あらゆる指示に具体理由とメリットを付け加えてメンバーに理解してもらう癖をつけることで思考の重要性が組織全体に広がります。

 

成功に導くための一番のキーマンはマネージャー

ほとんどの組織はピラミッド型の組織になっているので、それぞれのチームを統括しているのはマネージャーのケースが多いと思います。

 

ピラミッドの図

 

みてわかる通り一番人数が多いのはメンバーの階層です。つまりメンバーがどのような思考でどのような行動をとるのかが組織への最も大きいインパクトとなります。

 

マネージャーの思考と行動→大きく組織に影響

 

そして、メンバーが最も影響を受けるのが役員の階層ではなくマネージャーからなのです。直属の上司から大きな影響を受けるのは当然のことだと思います。

組織循環モデルをグッドサイクルに導くための最も効果的な方法は、グッドサイクルの内容を理解した上で「マネージャーの教育」を実施して「マネージャーの動きを変える」こととなります。

社内全体に考え方を浸透させる必要はなく、組織内でチーム形成に最も影響の大きいマネージャーに絞って改革を実施することがポイントです。

 

マネージャーに教育対象を絞る

グッドサイクルに基づくチーム作りを徹底

 

マネージャーはメンバーに最も大きな影響を与える人物

そのマネージャーが最初に求める成果を「結果」とおくか「関係性」に置くかで、組織全体の価値観が決まってくるのです。

 

強い組織を作るために関係性を作る

強い関係性に基づき思考を育てる

しっかりした思考に基づき行動する

安定した行動の上に結果が積み上がる

 

このプロセスの重要性をしっかりとマネージャーが学び、組織づくりを実施することで組織の成長サイクルはグッドサイクル入っていくのです。

まとめ
・成功循環モデルは組織の成長促進を実現するためのモデル
・モデルにはグッドサイクルとバッドサイクルが存在する。
・グッドサイクルはまずメンバーの関係強化から着手する
・バッドサイクルは最初から結果を出そうとする
・関係の重要性と思考の重要性の理解が一番のポイント
・マネージャーの理解と行動が最も大きく影響する

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