経営者にとってよくある悩みはズバリ、
・人に関する悩み
・お金に関する悩み
の2つに集約されます。
細かく見ていくと、
経営者が悩んでいるということは会社の経営がうまくいっていないということです。
原因を見出し解決していくことは「社長がすぐに取り組むべき」最重要タスクでもあります。
経営者が悩みを抱えたまま我慢していては組織はいつか崩壊してしまいます。
絶対に逃げてはいけないのです。
優れた人材がしっかりと売り上げを上げ続けている組織であれば、経営者の悩みも全て吹っ飛ぶでしょう。
ここでは、経営者のよくある悩みと解決法についてコンサル歴10年を超える筆者が解説をしていきます。
人材に関する悩み
私のコンサルとしての経験上、悩みの多くは「お金よりも人に関すること」なのです。
お金がなくて人の問題も山積みなのは最も最悪なパターンなのですが、いくら事業がうまくいっていたとしても、人の問題が発生している場合は経営者にとっての大きな精神的ダメージになってしまうのです。
人の悩みに関しては大きく2つのパターンに分類できます。
②一般社員の人材の悩み
この2点です。順に解説していきましょう。
・頼りになる幹部がいない
やはり、幹部人材の悩みのほうが悩みの度合いとしては大きい傾向にあります。
いくら良いメンバーがいても経営ボード信頼が成り立っていない限り組織は強くなりません。
という2点が考えられます。
そもそも現状の幹部が能力不足であれば、話しの目線も合わずに経営者はストレスを抱え続けることになります。
また、経営方針に対する考え方に違いがあるのだとすればその問題はいつか大爆発するでしょう。
上記2点の解決策を見ていきましょう。
・そもそも既存幹部の能力不足
この状況を解決するためには、「育てる」か「他を採用する」かの2択です。
見てみないふりをして、能力不足の人間と組織を回して行ったとしてもいつかの段階で大きな綻びが出てしまうのです。
育てるのであれば、自社で育てるのは限界がありますので、外部の力を借りるのがベストです。
一番良いのは、他社の優秀な人材と一緒に仕事をさせることです。
アライアンスなどの協業プロジェクトを外部の優秀な人材と二人三脚で実施してもらうことで大きな経験となります。
また、経営経験者の顧問やコーチなどを雇い、マンツーマンで業務の振り返りなどを実施していくことも有効です。
社内でいくら教育しても心のどこかで甘えが出ますし、経験上、社外の人材とのレベルの差を実感した時に人は大きく成長することが多いです。
教育をいくら実施しても理想の幹部としての成長がみられないという場合は、情に流されずにキッパリと次を見つけるべきです。
何故なら経営幹部のレベルが違うまま進めていくと、どうせいつかストレスが爆発するからです。
早めの見切りがとても大切なポイントなのです。
とは言え、「他の幹部候補なんかはなかなか見つからない。」という状況があるのも事実だと思います。
だからこそ、経営者は「どんどん人に会いビジョンを語る」という活動が必要になるのです。
月間5人でも幹部になるかもしれない社外の人材と会い、ビジョンを語っていくことで、新たな幹部候補との出会いの可能性は出てきます。
また、スペックの詳細を伝えてヘッドハント会社への依頼をかけるのもオススメの方法です。
面接するだけであれば費用もしれているので、是非実施してみましょう。
とにかく、幹部の能力不足は放っておいても解決しない大きな問題となりますので、早めの対処が必要となります。
・経営方針が共有できていない
いくら優秀な幹部がいても経営方針に対する考えに確執がある場合も、経営にとって非常に大きな問題となることが多いです。
能力の問題と同じで、半年や1年は我慢できるかもしれませんが、時間が経つにつれて問題は必ず大きくなっていきます。
大きなトラブルになる前に「経営方針についてしっかりと話し合う」ことが必要です。
・ビジョン策定合宿を行う
・会社の未来をテキスト化する
・個人の人生計画を共有する
など、素直に時間をとって、話し合う時間と機会を早めにとることがお勧めとなります。
・優秀なメンバーが育たない
社員の成長が遅く、いつまでたっても「受け身の仕事しかできない」「組織に対する不平不満が多い」という組織は少なくありません。
そして、そこから生まれるギクシャクが経営者の大きな悩みに育っていくのです。
優秀なメンバーが育たない企業の共通の課題は「マネージャーの能力不足」です。
メンバーが自ら学んだり率先して仕事に取り組むキッカケというのはマネージャーが創り出すものです。
イケてないマネージャー の元でイケてるメンバーは育たないのです。
そのため、メンバーの成長が遅いからといって、メンバー向けの研修や教育強化を行って行ってもあまり意味がありません。
この状況で必要なのは「マネージャー教育」です。
しっかりと役員や代表がマネージャーとはどうあるべきかを計画性を持って教育していくことで、全体のメンバーの成長が加速されます。
お金に関する悩み
人間関係の悩みに次いで多い悩みが「お金」についての悩みです。
キャッシュが回っていなければ会社は危機的な状態に陥りますし、何よりも危機感を本当の意味で共有できる人間が少ないことも経営者の悩みを大きくしている要因の一つです。
お金の悩みでも多い状況は「売り上げが低い」「新規事業が立ち上がらない」という悩みが経験上多いように思います。
それぞれを解説してきます。
・売り上げがなかなか伸びない
売り上げに苦戦をしている組織はとても多いですが、ほとんどの場合売れていない原因は共通します。
売り上げが伸びない会社の90%以上の原因が
「営業活動の管理が雑」
「マーケティングの未実施」
の2つに集約されます。
ほとんどの場合でその他の問題はないのです。
営業に関して言えば
・コンタクト数
・提案数
・見積り数
・受注数
・平均単価
などの数値がしっかりと計測されておらず、「なんとなく」のイメージで営業部隊が管理されていることがよく見受けられます。
また、マーケティングに関しては、ホームページをつくっただけで終わりなど、ネットマーケティングの施策自体を取り組んでいないケースが多いです。
②外部を使ってネット広告の実施する
この2点に全力を注ぐことで、経営者の悩みであるお金の問題は払拭されることが多いです。
・新たな事業が立ち上がらない
現在のサービスだけでは利益率が厳しいので「新規事業の立ち上げ」が急務。
挑戦はしているがなかなか立ち上がらないという組織も多くあります。
そしてそのことが経営者の悩みと化していきます。
新規事業が立ち上がらない原因のランキングは、
-
- 社長がフロントに立たずに口だけ
- 最優秀ではないメンバーが担当
- 競合の調査をしっかり行っていない
という内容です。
つまり新規事業をナメているので、立ち上がらないだけです。
新規事業は既存の事業よりも成功が難しいのが当たり前です。
最も能力が高くてしかるべき社長が本気にならずして、どのように事業を成功に導くのでしょうか?
サイバーエージェントの藤田さんは「アメブロ」「アベマ TV」など、大きな新規事業では常に陣頭指揮を取り、フロントで事業を成功に導いています。
ある程度成功が見えたら担当責任者にバトンタッチをしています。
繰り返します。
社長が口だけで、そこそこのメンバーが担当して新規事業が立ち上がるほど簡単ではありません。
また、独自のサービスを立ち上げるよりも他社のマネの方が簡単です。
であれば競合の調査を徹底するのは当たり前のことです。
この2点を徹底するだけでも新規事業の成功の確率は飛躍的に上がるのです。
まとめ
経営者の悩みの大半は「人」か「お金」に起因することです。
どちらの悩みも放置していると、近い未来にその悩みは組織を揺るがす大きな問題と育って行ってしまいます。
社長自身が気付く、役員が察知する、などキッカケがあったらすぐに行動に移して解決をしていきましょう。
決して先延ばしにしてはいけません。
それぞれの問題でそれぞれの解決策が存在します。
社長の悩みを組織のダメージにしないように取り組んでいきましょう。
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