PDCAの意味や言葉は理解できていても、「実際にちゃんと使えていない」「組織にPDCAサイクルが根付いていない」そんな組織が90%以上なのではないかと感じます。
ぼんやり使っていてもPDCAサイクルの力は発揮されません!
ここでは、4社経営コンサル歴10年を超える私が見てきた現場のPDCAの失敗例を事例をベースに解説していきたいと思います。
目次
PDCAの失敗事例
・行動プランがボヤけている
計画や目的は定まっているが、次のアクション(行動)がぼんやりとしていることで、PがDにつながらずにPDCAサイクルが立ち切れているパターンが多くあります。
例えば、コーポレートサイトの問い合わせ率が低下して、サイトに修正をかける必要がある時のアクションプランの例を考えてみましょう。
もちろんぼんやりとしたプランでしっかりと実行できて管理ができるだけの能力を担当メンバーが持ち合わせているのであれば、ぼんやりプランでも問題ありません。
しかしながら、ほとんどの組織はぼんやりプランでは行動に繋がりません。
PDCAで前提として大切なのはプランニングというよりも行動の具体性が大切な要素になるのです。
計画よりも行動の具体性が大切
・担当と期限が決まっていない
実行プランに期限をつけるのは当たり前のことだと皆さま認識されているとは思います。
ただし、私の経験から振り返ると「全てのプランに明確な期日を設けている組織」は想像よりもとても少なく感じます。
・営業の行動量を振り返ろう
・競合の価格を調査してみよう
・代理店を何社か選定しよう
・去年の状況をグラフでみてみよう
など、多くの実行プランが会議で決まっていきます。
そこで質問です。
「会議で決まった行動プラン全てに【期日】と【担当】は決まっていて、それをしっかりとテキストで残していますか?」
大まかに決まってはいるでしょうが、100%できているかと聞かれると怪しいという組織が多いのではないのでしょうか?
全ての行動プランに期日と担当を抜け漏れなくつけていかないと、結局プランの実行に対する緊張感がなくなり、PDCAサイクルは行動のや振り返りの部分で止まってしまうのです。
・チェックがあまっちょろい
一度決まったプランの実行の振り返り(チェック)があまくてPDCAが立ち切れているケースもとても多い事例です。
いくら素晴らしいプランを立てても、実行の振り返りがあまかったらPDCAの力は発揮されません。
特に決められたことが実行されていなかった時は注意です。
約束したプランが実行されなかった時
決められたことを決められた期日までにやっていないということは、それ相応の納得がいく理由がない限り、「組織の死」を意味します。
どんなに良いプランを作ろうと、どんなに能力が高かろうと、決められたことを決められた期日までにできないということはPDCAが回らないどころか未来永劫全てのプランが中途半端で終わってしまうのです。
決められたプランの実行の有無は「約束を守るか破るか」の非常に重要なファクターです。
どんなに能力が低くても決まったことの実行は可能です。
振り返り、特に実行の有無に関してはうやむやにせず徹底的に厳しく振り返っていきましょう。
行動の振り返りは厳しく徹底する
・オーバーワークになっている
PDCAのサイクルが中途半端で回っていない理由として「オーバーワーク」という状況要因も多くあります。
会社にとって「やるべき正しい行動」は無限です。
まじめな会社ほど、多くの施策を打とうとするでしょう。
しかしながら、会議でポンポンポンポン実行プランを練りまくっているとオーバーワークになってしまいます。
上記の記載の通り、実行の振り返りを厳密に行い、オーバーワークによる行動の未実施が多くなっていないかをしっかりとチェックしましょう。
リーダーとしての役割を持つ役職者が適当なプランを決め過ぎている組織も多く見受けられます。
PDCAサイクルを回すためには実行の確実性が最も重要となります。
詰め込みすぎには十分に注意しましょう。
実行プランの数を減らした途端にPDCAサイクルが回り始めることも意外なほど多いものです。
・会議にPDCAが活用されていない
PDCAは基本的に会議やミーティングで回すもので、普段思いついたときに適当に回すものではありません。
以下の流れを全て会議やMTG時に実行するのです。
会議でこの流れが明確になっていない組織はPDCAの使い方を失敗しています。
逆にこの内容をしっかりと会議で決めていけるようになると会議自体の価値の向上と具体性の向上に大きく貢献します。
・PDCAの趣旨が教育されていない
重要性や効果をしっかりとメンバーに教育ができていないとPDCAサイクルはしっかりと回ってくれません。
・行ったことは100%やりきる
・やりっぱなしにせず振り返る
・常に行動の改善を怠らない
PDCAは上記の組織にとって非常に大切な項目を確実に実行するためにあり、PDCAをそれぞれどのように会議で確認をしていくのかを伝えます。
言葉だけでなく、重要性と活用の方法をしっかりと初期教育していくことでPDCAが組織に定着していくのです。
・プロジェクトの中断方法がわからない
計画は順調に進んでいる。行動もできている。
だが、やらなければいけない行動がどんどん増えていってグチャグチャでPDCAがしっかり回らなくなってきた。
そんな組織が多いはずです。
この要因はずばり、効果のないプロジェクトを中断しないからです。
「振り返ってなんとなく効果がでていないなー」と思いながらも悪くはないので、実行は続けよう。
こんなイメージの実行プランが中断されずにどんどん残っていき、実行プランが多くなり過ぎてPDCAの回らないという現象です。
解決法として、効果のないプランはどんどん終わらせていくということと、プランを終了する時はしっかりと全員に伝えるということです。
特に上司が決めた行動計画で、上司のプライドが邪魔をして意味のないプランを継続してしまうことも多々あります。
勇気を持って「このプランは成果がでなかったので終了にしましょう」と全員に告知をすれば良いのです。
P(プラン)で決めた、D(行動)をしっかりと、C(振返り)で評価して、改善して継続するか中断するのかの方向性を決めていくのがA(改善)になります。
まとめ
ここまで、PDCAサイクルを失敗して使えていないケースを紹介してきました。
経験上最も多い要因は「計画」から「実行」の部分です。
PDCAを活用できていない組織保ほとんどは、実行力の低い会社であると感じています。
実行力を高めることでPDCAサイクルは回り始めますし、逆にPDCAサイクルをきちんと会議で回すことで実行力が高まるのです。
経営の教科書では、PDCAサイクルの活用をはじめ、組織がしっかりと回っているのかを無料で診断することができます。是非こちらも簡単に使うことができますので、ご利用下さい。>>組織力診断をしてみる