ゴールを意識する思考、プロセスを意識する思考

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人間の行動には2つの種類があります。1つは結果を出すための行動、もう1つは行動のための行動です。前者の行動につながる思考方法をゴールオリエンテッド思考、後者をプロセスオリエンテッド思考といいます。ゴールオリエンテッド思考がゴール、目標を達成するためにいかに行動するかを考えるのに対し、プロセスオリエンテッド思考はゴールをあまり意識せず、とりあえずやっていこうという考えです。行動すること自体に重きを置いた行動ということになります。どちらがいいかは明白ですね。ゴールオリエンテッド思考の方が結果に結びつきやすいことを言うまでもありません。どのようにすればゴールオリエンテッドな思考と行動をすることができるのかをここでは、解説して行きます。

 

ゴール(目標)を設定することで行動が最適化する

こんな状況をイメージしてください。地球上に遮るものがなく、ずっと歩いて行ったとしましょう。どこまで歩いても、目の先はまっすぐなままです。ところが、地球を俯瞰すると、完全な球体なわけです。遠くを見れば見るほど地平線は湾曲していることに気づきます。確かめてみたことはありませんが、北海道の襟裳岬に立って太平洋を見渡すと、地球が丸いということが分かるといいます。

山で道に迷ったとき、近くを見ても木ばかりで、自分がどこにいるかも分かりません。しかし、ふと目線を挙げて遠くの山が見えれば、自分の位置が分かり、ゴールへの確たる道筋も見えてきます。近くだけを見ていたのでは、行動に迷いが生じるのです。

つまり、近視眼的に見ていては事態の打開も目的達成も覚束ないということです。遠くのゴールをまず見つけることによって、行動の最適化が図れるのです。

POINT遠くのゴールを常に意識することを習慣化する。

 

2つの思考法の差が結果を大きく変える

ビジネスにおいても、2つの思考方法の違いははっきりと現れてきます。

先輩から「ファイルを整理しておいて」と頼まれたとき、プロセスオリエンテッド思考では、深く考えることなく、今までと同じ方法でとにかく整理しようとします。これに対し、ゴールオリエンテッド思考だと、「このファイルはどのように使うのですか?」と、ゴールを確認するのです。そのうえで、ゴールのための最適な整理方法を考えて、整理に取り掛かります。

話し方でも、過程をたどってだらだらと話すより、結論を初めに持ってきて、それに向けて筋道を立てて話す結論ファーストの話し方の方が、話がグンと分かりやすくなります。

 

もう一つビジネスの例を挙げましょう。今月は300万円の売り上げを確保しなければならないとします。プロセスオリエンテッド思考でいくと、100万円だろうと300万円だろうと、あるいは500万円であっても、いつもの営業方法で毎回同じように頑張ろうとします。300万円という目標は、そこまでいったらいいなという希望的観測の範囲にとどまるでしょう。

一方、ゴールオリエンテッド思考はというと、今月の営業日は20日だから、300万円の売り上げを得るためには1日15万円を目標にしよう。そのためには午前中はこう動いて、午後はここに力を入れようなどと考えます。ゴールから逆算して行動することで求める結果に近づけるのです。

 

ゴールを意識するだけでゴールは近づく

漫然といつものやり方をすることと、初めにゴールを明確にして、そこに到達するためにはどういうやり方がいいかを行動基準にすることの差は、はっきりと結果に現れてきます。

ゴールオリエンテッド思考がよりよい結果につながるのは、常にゴールを意識していると無駄がなくなり、達成しやすくなるという行動の効果が一つ。さらに、頭の中でゴールが具体的で明確になっていると、何とかやり遂げようという気持ちが強くなるという、思考がもたらす効果があるからです。

POINT「動きの無駄がなくなる」「ゴールへの意識強化される」

マラソンの走る距離は42.195キロです。もし、このゴールの旗が立っていなくて、とにかく速く走れと言われたら、どれぐらいの人が実際に速く走れるでしょうか。

ゴールが決まっているからこそ、もう少し頑張ろうという気持ちも湧いてきて、ゴールを意識しながら走るからこそ目標タイムもクリアできるのです。この、ゴールという目標を常に意識することも、大事なポイントです。

 

何故ゴール(目標)への意識が弱くなってしまうのか

ゴールを意識することの大切さはわかっていても、実際の業務の中ではゴールへの意識が希薄になってしまう方は多いのではないでしょうか?何故ゴールを強く意識した上で仕事に望むことが難しいのでしょうか?

ポイントは2つだと思います。

・自分にとってゴール(目標)がそこまで大切ではない
・目的を考えずに行動することが癖になっている

 

1点目は、自分にとって現在決められているゴールが大切ではないという意識がゴールオリエンテッド思考を妨げてるケースです。この原因は仕事上の目標が他人から決められたもので、自分の人生にとってはそこまで重要ではないという考えかたです。「自分の人生」と「仕事」は別々のものである認識から生まれるものだと考えられます。あくまでも仕事であり、ひとから決められた受け身の目標だとしても、その目標を達成するために費やされる時間は自分自身の人生の時間です。このことをしっかりと理解し、「自分の人生の一部」=「仕事」と捉えることで、仕事上のゴール(目標)が自分にとって重要なものとなります

 

仕事の時間も人生の時間の一部であるという意識を強く持つことで、1点目の原因を解決できる可能性が高まります。

2点目の目的をしっかりと考えずに行動することが癖になっているという現象は俗にいう「思考停止状態」です。朝の出勤前に今日やる仕事内容をざっくりまとめる癖をつけることと、その内容の目的をしっかりと考える癖をつけることで改善していきます。目的を漠然と捉えて、行動を先行させ、終わった後に目的を再度考えるといったフローを、目的を具体的深く理解して、計画して、着手という順序に変えていくことでゴールオリエンテッド思考に変化していきます。

何も考えずに1日の仕事を始める習慣を、出勤前に計画と目的をしっかりと認識してから仕事を開始する習慣に変えることで、何事も目的「なんのため?」を考えてから行動をする癖が付いてきます

 

仕事の目標は自分の人生につながる

少し視点を変えてみましょう。先ほどの売り上げ目標もそうですが、仕事における目標というのは、直接的には会社のためではあるのですが、より広い目で見ると、その目標は自分の人生に置き換わるのです。

自分の人生でこれを達成したい、こういう人生を歩みたい。だから今、会社の目標を達成するんだというように、仕事の目標が人生のゴールにつながっていくのです。仕事であろうとプライベートであろうと、すべての行動は自分の人生なわけです。ビジネスの行動と自分の人生は切り離せるものではありません。

人生の最終ゴールは、いかによく生きたか、悔いなく生きたかにあるはずです。ですから、自分の人生ビジョンにおけるゴールを忘れないことです。会社の仕事を人生ビジョンに位置づければ仕事にも力が入りますし、効率的で効果の上がりやすい行動がとれると思います。

自分は行動のための行動をしていないか、きちんとゴールを見定めて、しかも自分の人生にリンクさせて行動しているかを、客観的に見つめ直す癖をつけてはいかがでしょうか。

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