経営者は一般のビジネスマンよりもうつ病になる可能性が「2倍以上」も高くなると言われています。ではなぜ経営者にうつ病が多いのでしょうか?
それは「経営者に責任が集中しすぎる」ことで頑張りすぎてしまうということが1番の問題だと思われます。
社員のメンタルヘルスには気をつけるが、経営者の精神状況は気にしないといった環境もうつ病の引き金となっているのです。
ここでは経営者がうつ病になる理由とその対策方法について解説していきます。
目次
経営者がうつ病になる理由
経営者がうつ病になってしまう原因は、
・お金の問題
・人間関係の問題
多くの場合がこの2つのパターンに当てはまるのです。
組織の全責任を持つ経営者は多くのストレスをかかえています。
最もよくあるうつ病の原因は以下の5点です。
・忙しすぎて休めない
・トラブルによるストレス
・役員同士の人間関係
・家族との人間関係
この5つの原因が、経営者の鬱を引き起こしている大きな要因となっているのです。
それぞれの原因について解説をしてきます。
・経営状況の悪化
ビジネスモデルが悪い為、売上があがらず利益がでない。
結果として資金繰りが悪化していき大きなストレスとなる。この問題が経営者のうつ病の原因の多くを占めると思われます。
資金繰りの悪化の原因は大きく以下のようなキッカケです。
・売れていたが競合が増えて苦戦
このような原因で経営が日に日に悪化していくのです。
多くの経営者にとって会社は全てであり、もしも潰してしまったらメンバーを始め関係各所に多大な迷惑をかけてしまうという大きなプレッシャーがあるのです。
上に立つ立場としてのプライドも大きいので会社がうまくいかないことをなかなか受け入れることができません。
会社を潰してはいけないという「責任感」と「プライド」が大きなストレスとなりうつ病を引き起こします。
・忙しすぎて休めない
会社の経営は楽ではありません。
メンバーに頑張ってもらっている手前もあり経営者はノンストップで働かざるを得ません。
そもそも忙しい経営者の日常に「想定外の退職者」がでたり「大きなクレーム」が発生したりすることでさらにどんどん多忙になっていきます。
経営者は単純に忙しいだけではなく「大きなストレスを抱えた忙しさ」なのです。
また、経営がうまくいかずに資金繰りが悪化した時の忙しさから受けるストレスは一般社員には理解ができず想像を超えたものになりうつ病を引き起こすのです。
また、社長がするべき仕事が明確に設定されておらずに、結局会社全体の仕事に手を出してしまうことで、業務過多の状態になってしまっている組織も多く見受けられます。
・トラブルによるストレス
会社を経営していると経営を危機にさらすような大きなトラブルが多発します。
「○○さんと□□さんが揉めている」
「△△さんが不正をはたらいているらしい」
「マネージャーが一気にやめるといっている」
「大きな取引先が取引中止を申し出ている」
特に組織の階層ができていない中小企業では、このようなトラブルが起こるたびに全責任が経営者にのしかかり、想像を絶するトラブルになるのです。
一般的に経営者は能力が高く、なんでもかんでも自分で解決をしようとする傾向があるので、よりストレスが増していく結果となります。
また、トラブルが大きければ大きいほど社内に相談できる相手がいなくなることもストレスを増大させる理由となります。
例えば「経理の社員が横領をしていた」などといった大きなトラブルは社内でなかなか相談することもできないのです。
・役員同士の人間関係
独立したばかりの時はとても仲が良かったのに半年経った頃から仲が悪くなり始めた。
このようなケースが多く見受けられます。
友達同士で共同経営という形で起業した場合などこのケースの典型です。
役員同士のプライドが高くお互いを認め合えないことから分裂していくのです。
ひどい場合では社内に派閥ができ全体がバラバラになってしまうことも起こり得ます。
また、共同経営の場合は喧嘩別れしようとしてもお互いが経営権を持つので金銭的なトラブルにも発展します。
もちろん役員が仲の悪い組織のパフォーマンスが良いはずがありません。
役員の仲の悪さが経営の悪化にまで影響していき、経営者のうつ病の引き金となっていくのです。
・家族との人間関係
経営がうまくいっていないと忙しいですし常に「イライラしている状態」になってしまいます。
ただでさえ早く帰ることが難しい状態で、たまに帰ってきてもイライラしているようでは家族との関係も悪化していきます。
家族との関係が悪化する原因
・帰りが遅く休みがない
・常にイライラしている
このような状況下で経営者自体と家族での意識の乖離が出てきてしまうのです。
経営者:「家族のために頑張っているから理解されて当たり前」
家族:「いつもいないしイライラしていて家族の意味がない」
このような状況の中で離婚問題ともなると「会社のトラブル」と「家族のトラブル」を一気に抱えなければいけない状態となります
このように一般社員よりも経営者の方が仕事と家族のバランスが取りづらい可能性が高くうつ病の引き金となるのです。
うつ病に対応する方法
ストレスが高まる前にストレスを吐き出す方法をしっかりと持っておくことで、うつ病を事前に予防することができます。
また、うつ病になってしまっても症状を緩和することが可能です。
・仕事以外の逃げ道をつくる
・相談者をみつける
・休みを無理やり取る
・プライドを捨てる
・仕事以外の逃げ道をつくる
多くの経営者は忙しく「会社が人生の全て」になりがちです。
仕事以外に喜びや没頭することがないと「会社が人生の全て」という状況に陥ってしまいます。
また、毎日同じような仕事の繰り返しでストレスが増大していきます。
・「会社が全て」という感覚
・繰り返しの業務でストレス
このような環境の中で仕事以外に打ち込めて楽しめることをみつけるのはとても重要なのです。
「忙しいからそんなことできない」ではなく、「忙しいから逃げ道をつくろう」といった感覚で、新たな取り組みを見つけることをお勧めします。
仕事以外に軸を持っている人は魅力的ですし心にゆとりもあります。
日々事業で忙しい中で見つけることはなかなか大変ですが、少しでも興味を持てたものはどんどん試して軸を見つけましょう。
・相談者をみつける(メンターやコーチやコンサル)
経営者にとっての大きな問題は「社内に相談相手がいない」ということです。
例えば役員の人事をその役員に相談することはできませんし、大きなトラブルが起こった際も相談するというよりも決断を下さなければならないのです。
だからこそ社外に頼れる相談相手を探しておくことが重要になるのです。
・メンター
・コーチ
・コンサル
まずは問い合わせするなり会ってみて、しっかり頼れる存在かを見極めましょう。
・休みを無理やり取る(家族も大切に)
そもそも経営者が遅くまで働き、休日も出勤するような状態は社員にとってとても迷惑です。
上司が遅くまで長く働いていたら、社員も同じように長時間労働をせざるを得ません。
そして何より長時間労働は経営者の体や精神、そして家族にとって大きなダメージになります。
「会社のために頑張りすぎる」という考えを「会社のためにしっかり休む」という考えに変換して、強制的に早く帰り休む時は休める態勢を作りましょう。
・プライドを捨てる
多くの経営者の性格の共通点は「プライドが高い」ことです。
つまり常に周りから常に尊敬されて一目置かれることを目指すので、弱音を吐くことができないのです。
弱音を吐くことができなければ経営が厳しい状態において、ストレスが経営者の肩にの重くのしかかります。
このような状況で一番必要なことは「弱音を吐くこと」です。
最後まで強い社長でいる必要は全くないのです。
「困っていること」
「お願いしたいこと」
「謝りたいこと」
「感謝していること」
などの感情をしっかりと言語化してメンバーに伝えていきましょう。
たかが「弱音」ですが、伝えることでストレスは緩和されますし、メンバーも頑張って社長を守ろうという気持ちが生まれてくるものです。
あえて弱い部分を見せる
経営者のうつ病の原因と対策【まとめ】
経営者も1人の人間です。
「経営者は休んではいけない」「経営者は弱音をはいてはいけない」などの古い考えが経営者のうつを引き起こします。
経営者がうつ病になる原因の傾向や対策をしっかりと認識しましょう。
そして、社員だけでなく組織のトップである経営者のメンタルヘルスにも最善の注意を払っていきましょう。
また、組織に問題がある状態では、社長のメンタルはなかなか安定しません。組織の課題は客観的に洗い出す機会が少ないのも事実です。
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