なにげなく研修を実施してみても単発で終わってしまい、効果もわかりにくい。こういったケースがとても多いです。
原因は目的を考えずに適当に研修を実施してしまっているからです。
目的をしっかりとセットすることで「研修の効果が最大化」します。
社員研修を行う目的について解説していきます。
研修の一番の目的は社員の「行動を変えて成果を出す」ため
メンバーの行動が変わらない限り研修の効果はゼロといっても過言ではありません。「行動を変えて成果をあげるための研修」が大きな目的となることは間違いありません。
プロセスと結果を分けて目的を決める
研修を実施する時に一番多いミスが質の高い研修を求めてしまい、研修のプロセスを評価してしまうということです。
どんなに良い研修でも現場での行動の変化が生まれない、または変化が生まれても短期的にもとに戻ってしまうものであれば意味がありません。
・研修のクオリティー
・研修への評価
・実際の行動の変化
この3つは圧倒的に異なるので、実際の行動の変化だけを目的にベンチマークすることがポイントです。
行動を具体的にどのように変えたいのか?
研修を実施する前にメンバーの課題がある行動を具体的にどのような行動に変えていきたいのかを明確化することで研修の効果が上がります。
なんとなく営業のモチベーションが低いから研修を実施してみよう良い例
・営業のコンタクト数が少ない(具体的に月○○件)からコンタクト数を○○件くらい増やせるような研修を実施しよう
・新人の仕事に対するプロ意識が薄いので意識を変えて全てのお客様への対応レベルの向上と目標達成にこだわる組織作りのための研修を実施しよう
この時のポイントはこの目的を文章で明確に書いていくことです。
もちろん初めての研修で具体的な行動の目的をセットするのは難しいという意見もわかりますが、これくらい目的を明確化していかないと「やってよかったね〜」程度結果しか出せないのです。
このように結果を明確化することによって初めて研修のやる意味とどんな種類の研修をどの会社にお願いするのかを検討することができるようになります。
研修の種類については以下で解説してます。
目的をセットすると効果測定がしやすくなる
具体的に行動を変化させようという目標や目的がセットされることではじめて研修の効果を測定することができようになります。
具体的な行動目標を決める
↓
社員研修の費用対効果が測定できる
目的をセットしていないと研修実施後の評価は高いが、結局行動につながったのかどうかがわからないため継続的に研修を実施することができなくなります。
つまり目的や目標が明確でない研修は思いつきで実施される研修となってしまうのです。
研修の実施を検討した段階で研修の目的や目標を数字を織り込んで文章にすることをお勧めします。
研修の目的を文章化(準備)
↓
研修の実施(本番)
外部社員研修と社内教育の特徴の違いを明確化する
研修の目的を明確化するためには普段の社内の教育と社員研修を実施した場合の特徴の違いを知ることが大切です。
違いは以下になります。
違い②:外部からの意見だから響く
違い③:普段はできない経験ができる
違い④:参加者同士の繋がりができる
それぞれを簡単に説明していきます。
時間が決まっているので学ぶ姿勢が変わる
普段の教育と違って、改まって時間と場所を押さえて教育を実施することでメンバーが「構える」のです。
場所と時間が教育のためだけに取られているので緊張感が格段に高まります。普段の教育では、お客様からの電話にさえぎられたりと、教育に対する集中力が減少します。
研修にしっかりと向かい合う「緊張感」がしっかりと教育に向かい合うきっかけとなります。
外部からの教育だから響く
いつもは社内の上司からの指示や教育をうけるので、メンバーにとってはどうしても「ポジショントーク」に聞こえてしまう場合があります。
例:社長から「経営者視点で考えろ」と言われても「それは自分の会社だから言えることでしょ」とメンバーが感じてしまう
外部からの意見は中立と感じるのでメンバーにとってはとても聴きやすいものとなります。また、外部で多くの経験を積んできた講師が話すことは特別説得力のある内容に聞こえます。
・外側から見た客観的な意見
・経験豊富なプロからの意見
このことから普段の社内教育にはない緊張感をもった教育の機会が生まれます。
普段できない特別な経験ができる
研修は様々なケースを織り交ぜながら展開されていくので、普段の業務ではなかなか体験できないようなシチュエーションや考え方を学ぶことができます。
業務上だけでは体験できないこと、業務の中では発送できないような考え方などを学ぶことができるので、メンバーの視野を大きく広げることが可能となります。
横のつながり
普段は業務で一緒にならないようなメンバーとも研修内では一緒に学んでいくことができるので、社員同士の横の連携が強まります。
研修の内容によっては営業メンバーと運用メンバーなど普段は距離の離れているもの同士の理解の場にもつながります。
改めてまとめると社員研修には以下の特徴があります
・学びの姿勢を変えることができる
・外部の意見なのでとても響く
・普段できない経験を考察できる
・横のつながりが強化される
この特徴をベースに「行動を変えていく」ことが研修の大きな目的となるのです。
研修は目的を決めて復習を実施しないと効果がでない
ただでさえ研修は成果がみえにくい打ち手でもあります。だからこそ実施前後の比較ができないと効果が見えません。
↓
研修の目標の設定
↓
研修の振り返り
↓
研修の復習の実施
特に大切なポイントは「研修の目標設定」と「研修の復習の実施」です。
なんのための研修なのかが明確に決まっていることで初めて目的を達成するための研修を実施できるのです。
また、目標達成のためには研修の振り返りも大切です。研修をやって終わりでは研修終了後1ヶ月くらいしか効果が持ちません。
研修で実施した内容をマネージャーが精査して、定期的な振り返りを実施しましょう。1ヶ月に1回は学んだことが実施できているのかを確認する必要があります。
どんな勉強でも講義を聞いただけでは知識は定着しません。同じように研修も復習を定期的にしていくことで初めて情報が本当の意味で身についていくのです。
研修で大切なこと
研修の目的を決める
振り返りを月1回行う
まとめ
研修の目的は事前にテキスト化しよう
社員研修の特徴
・学びへの集中力が高まる
・プロからの客観的情報を学べる
・日常では経験できない学びを得られる
・メンバー間の関係強化ができる
研修で一番大切なこと
・研修の目的を具体的に決める
・研修の振り返りを月に1度行う