プレイヤーとして仕事を習う機会がない人はほとんどいないと思います。
しかしながら、「マネージャーの定義」を徹底的に教えられた経験がない人は多く存在します。
マネージャーとはどうあるべきか?
↓
スタンダードをつくって教育を実施
↓
マネージャーの初期成長が加速する
マネージャーを育てるためのスタンダードをつくり上げ教育を徹底していくことで、組織の力は飛躍的に向上していきます。
そしてマネージャーのレベルこそが会社のレベルといっても過言ではありません。
ここでは、事業会社を4社経験しながらコンサルタントとして10年以上組織を見てきた筆者がマネージャーの育て方のポイントを5点に絞って解説していきます。
ここにまとめた5つのポイントをしっかりとマネージャーに落とし込むだけで組織は大きく変わると思いますので、是非最後まで読んでみてください。
タイトル:存在を明文化してあげる
タイトル:『数字→質』の順序
タイトル:ロジカルシンキングの徹底
タイトル:まっすぐに伝える力
タイトル:経営の理解と尊敬について
タイトル:マネージャー研修をやってみよう
タイトル:存在を明文化してあげる
いまから当たり前のことを言いますが、しっかりと読み込んでもらいたいです。この定義がブレていると共通認識ができ上がらないからです。
マネージャーにとって最も大切な使命は「チームで最高の結果をつくりだす」ということです。
マネージャーの目的
チームで最高の結果をつくりだす
プレイヤーだったころは「自らが最大の結果をつくりだす」ということが目標だったのに対してマネージャーになると「チームプレイ」となります。
プレイヤー
個人で最大の結果をつくりだす
マネージャー
チームで最大の結果をつくりだす
逆に言えばチームで最大の結果をつくりだすことができなければマネージャーとしての存在意義はないことになります。
当たり前のようでこの定義をしっかりと理解することがマネージャー育成の基盤となります。
タイトル:『数字→質』の順序
では、結果とはなんでしょう?
携わるプロジェクトにもよりますが、まず第一に考えなければならないのは売り上げや重要指標などの「数字」です。
重要な目標数字の達成見込みがないにもかかわらず質の向上を優先させてはいけません。
チームの数字
↓
チームの質
新人教育でも同じですが、営業を実施しないでリストの整理や資料の手直しなどの「質ばかりを意識している人材」は営業がなかなか上手くなりません。
マネージャーも同じで、チームやサービスの質ばかりを優先して重要な数字目標を後回しにする人間は成長が遅れてしまいます。
そして成功体験が積めずにたいせつにしている質の部分も低いままになってしまうのです。
✔︎プレイングマネージャーのバランス
ベンチャー企業では多くの場合がプレイングマネージャーとして自分自身も数字を追っていきます。
そして、プレイングとマネージメントの割合に迷うケースが多くあります。
このときも「数→質」の順序さえ間違わなければ上記の比率は最適化されるのです。全然数字を達成していないのに自分では動かずに教育ばかりしている状況には気をつけましょう。
①まずはチームの数字を意識
数字が達成ラインに乗らないのであれば自らが動き数字を作る
↓
②次にチームの質を意識
数字の達成が見えてきたらメンバー育成に時間を分配していく
タイトル:ロジカルシンキングの徹底
マネージャーが「チームで最高の結果をつくりだす」ことを成功させるための重要なポイントとして、ロジカルシンキングがあります。
ロジカルシンキングとは論理的思考のことです。
組織の状況や課題を数字でとらえ、メンバーの状況や課題を論理的かつ具体的にとらえていく必要があります。
上司への報告ダメな例
新しいサービスの売り上げが良い感じなので広告費を増額してもよいでしょうか?
上司への報告良い例
新サービスの初月の売り上げが本日で150万円を突破しました。販管費は60万円くらいしか使っていないので、現時点での営業利益率は60%と好調です。来月広告費を倍かけると売り上げ300万前後で営業利益率も50%は確保できる想定なので広告費増額を試してみてもよいでしょうか?
しっかりと数字を把握せずに感覚でチームをマネジメントしていくことは非常に危険なことです。
常に数字をとらえロジカルに報告や意思決定をしていく必要があります。
メンバー育成のダメな例
先月の成績が悪いからもっと行動を増やしてクロージングも意識してくれ
メンバー育成良い例
先月の状況はどうだった?課題と対策はあるかな?
数字で見ると商談化率もクロージング率も他のメンバーと比べても高い数字だよ。ただ一点初期のコンタクト数がチーム平均よりも30%低いみたいだね。ここをクリアすれば来月は問題ないと思うよ。行動数を30%あげるには具体的にどうしていけばよいかな?
このように部下の状況もしっかりと数字で裏付けながら状況確認と教育を行っていくことで、結果がしっかりと出てきます。
雰囲気や感覚でのアプローチはやめましょう。
タイトル:まっすぐに伝える力
マネージャーに求められるコミュニケーションスキルは「しっかりと伝える力」です。
良いことも悪いこともしっかりとまっすぐに伝える力が求められます。
ダメな例
言いにくいことを言わない
感情的にすぐ怒る
褒める機会がすくない
指示の背景が見えない
間違いをみとめない
これらの反対を実施していけばスムーズなコミュニケーションが生まれます。
言いにくいことも瞬時にしっかりと伝え、怒るのではなくしっかりと指摘してあげましょう。また、小さなことでも自発的に実施したことへの成果は褒めてあげましょう。
指示を出すときは大前提の会社の方針などの背景も解像度をあげて伝えてあげましょう。
マネージャー自身がなんらかのミスをしたときは素直に謝りましょう。そのことで、信頼は逆に向上します。
こういったコミュニケーションにおける当たり前のようでなかなかできていないポイントをひとつひとつ教育することでマネージャーの力は向上します。
タイトル:経営の理解と尊敬について
最も危険なマネージャーの行動は「私有化」です。
成果がでている組織に多い現象ですが、チーム内で数字の結果を出せているから「成功は自分の力のお陰だ」と考え「経営層をバカにしてしまう」現象です。
チームの数字成果がでている
↓
調子に乗って経営層をバカにする
↓
辞められるのが怖くて指摘できなくなる
↓
経営の意思が現場に届かなくなる
このような悪循環が実際にとても多く存在します。そしてこのことはマネージャーの目的である「チームで最高の結果をつくりだす」を会社視点でみると「チームで最悪の結果をつくりだす」という行動になってしまっているのです。
この事態を避けるためにはやはりマネージャーへの初期教育が必要です。
・経営方針の理解
・経営層への尊敬
この二つの要素がなければ、いくらチームの数字や質が上がっても、会社視点での最高の結果は出すことができません。
マネージャーが成果を出してメンバーに会社の悪口をいうようなケースは本当多く見受けられます。
マネージャーが数字を出して調子に乗る前にしっかりと「私有化」の害毒について教育をしていきましょう。
マネージャーがチームで本当の意味での最高の結果を実現するためには、高い視点(経営者視点)が最も重要な基盤となるのです。
タイトル:マネージャー研修をやってみよう
マネージャーに就任して適当に任せながら教育していくのではなく、「マネージャーとはなんぞや?」「気をつけるべきポイントは?」などを整理していきながらマネージャー就任前にしっかりと教育をしていくことをお勧めします。
多くのマネージャーは悩んでいます。そしてなんの悪気もなく間違えた方向に進んでいってしまっているのです。
自社で研修のノウハウがなければ外部研修を実施してノウハウを吸収していくこともオススメの方法です。
弊社でもマネージャー研修は最も人気の研修カテゴリの一つです。
弊社のマネージャー研修プログラム
マネージャー就任前や就任直後のマネージャーの育て方で組織は大きく変わります。是非実施してみてください。