実際に成功している新たなビジネスモデルを改めて知ることで、自社のサービス構想の役に立つことは多くあります。
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自社サービスへのヒントが満載
というようなとても重要な効果があります。また、「あー、知っている」と言っても具体的に良くわかっていないビジネスモデルも実は多いと思います。
自ら4社を経営し、コンサル歴10年を超える筆者が知っておくべき5つの新規ビジネスモデルの成功例を具体的に理解できるように解説していきます。
①新規ビジネス解説【クラウドサイン】
クラウドサインは、弁護士ドットコム株式会社が執筆時点でシェア80%以上を占める「オンライン捺印」サービスです。
従来は紙の契約書を送り合って物理的にハンコを捺印しなければなりませんでした。
クラウドサインではインターネットのアカウント上でお互いに契約書をやりとりして、同意するボタンをクリックすることで、法的に有効な正式な契約書を締結することができます。
完全にオンラインのみで双方契約が締結できることで、例え契約内容を印刷したとしても「印紙税」は一切かからず0円になります。
・法的に有効である
・印紙税がかからない
・全てオンラインで完結
という3つの特徴と「コロナウィルスの流行」という経済状況が後押しとなり、急拡大したサービスです。
実際に物理的なハンコがメインの契約締結は、コストも時間もかかるとても面倒なものでした。
・契約締結までに時間がかかる
・郵送費用がかかる
・印紙税がかかる
・契約書を保管する必要がある
・契約締結までを時間を短縮
・郵送費用がかからない
・印紙税がかからない
・契約書はオンラインで保管可能
このようなメリットを提供することで、弁護士ドットコムは、電子ハンコの先行者として大きなシェアを獲得しました。
また、もともと弁護士のマッチングサイトの上場会社ということもあり、信頼性と早期参入という武器が成功の大きな要因となっています。
競合には、
・GMO Agree
・Adobe Sign
・DocuSign
などがありますが、この記事の執筆時点ではクラウドサインのひとり勝ちです。
代表の元榮太一郎(もとえたいちろう)が参議院議員であることも有名な会社となります。
②新規ビジネス解説【ラクスル】
ラクスル株式会社が展開する「ラクスル」は印刷をメインに発注ができるメディアです。
空きのある印刷会社とのマッチングを可能にすることとで、従来の価格比較がしにくい「印刷」を安くて簡単に発注できるようにしました。
ラクスルがメインに扱っているサービスは、
・デザイン
・印刷
・配布
となっており、ラクスル内でデザインを発注してDMを作り、印刷をして、発送を依頼する。といったことが可能となります。
ラクスルで安く一気通貫での発注が可能となります。
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印刷
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郵送
従来は、ひとつひとつのタスクについてそれぞれの業者から見積もりを提出してもらい、コンペを重ねてDMの発送までを完了しなければなりませんでした。
ラクスルであれば一気通貫で安く簡単にプロモーションが可能になります。
アカウントを持っていると他をあたるのが面倒くさいので「ラクスルでいっか」という感じにもなりやすいです。
もともと、印刷業界の「印刷機の稼働率は40%台」ということがベースで他の業種に比べて圧倒的に倒産が多い業界でした。
そんな業界への発注を一気にデジタルシフトすることによって簡単に安く発注できるインフラとして成功しました。
ラクスルは同じ容量で、空いている運送会社をマッチングすることで低価格かつスムーズに運送をマッチングできる「ハコベル」も展開しています。
ハコベルも「倒産多い巨大マーケットを一気にデジタルシフト」と全く同じ成功のポイントで展開しています。
③新規ビジネス解説【トクバイ】
トクバイは株式会社ロコガイドが運営するサービスで、簡単に言うとチラシをスマホアプリで見れるメディアで、小売店と消費者をつなぐマッチングメディアとなります。
トクバイは元々クックパッドのサービスで、2016年に穐田誉輝が新設分割によって株式会社ロコガイドに独立させたサービスです。
大小かかわらず小売店にとって「チラシ」は広告宣伝の生命線です。
にもかかわらず最近の若者は新聞を取らないのでチラシの情報にアクセルする機会は激減しています。
その中で、チラシ情報を含む広告宣伝情報をメディアに、「バーゲン情報」「お得商品情報」「店舗の特徴などの情報」を効率的に認知促進することを可能としたビジネスモデルです。
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折り込みチラシ
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若者は新聞を取らない
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チラシをデジタル化
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その他広告機能を拡充
もともとチラシなどの広告をメインしていた小売店はアプリへの情報掲載が不得意なこともあり、リモートで同時アクセスができる機能を管理画面に搭載し、アプリの情報掲載の方法を広告主に教育するなど地道な活動が売り上げの増加を後押ししています。
また、広告主をパートナーと呼び共に成長していく姿勢に重きを置いている点も素晴らしい点です。
④新規ビジネス解説【チャットワーク】
チャットワークとは、Chatwork株式会社が提供するビジネス向けの「チャットサービス」です。
簡単にいうと「ビジネス版のLINE」と言う感じです。
チャットツールの成功の大きなポイントは「相手が使っている」ということです。
日本では「LINE」がメジャーですが、アメリカではLINEは使われていません。
チャットワークは日本で先行してシェアをとることに成功したビジネスチャットサービスです。
ビジネスチャットに参入している競合としては、
・Slack
・LINE
・フェイスブック
・グーグル
・マイクロソフト
と強者揃いの中で、日本で最もメジャーなビジネスチャットツールとしてチャットワークが位置付けています。
昨日はもちろんのことブランディングやPR、マーケティング力で早期シェア獲得を実現しました。
どうしても作る必要があるチャット上のグループ(複数人でやりとりをするためのグループ)を作成する件数に応じて有料課金される部分や送信した文章を後から編集できる機能などサービス設計がとても優れています。
⑤新規ビジネス解説【バイマ】
バイマは株式会社エニグモが提供するサービス(アプリ)です。
簡単に言うと、メルカリが海外の新品製品のみの扱いになったバージョンです。
売主は全て海外に住んでいる人です。
アプリユーザーから発注を受けたら買い物をして送ると言うイメージです。
・日本よりも安く買える商品
・日本で完売してしまった商品
などをバイマで購入することが可能です。
エニグモ社自身が偽物の鑑定や100%保証をしているので安心して海外ブランドなどの商品を購入することが可能です。
日本では高いグッチのバッグが海外のデパートで安ければそちらの金額で購入することが可能になります。
また、セール品などで想定外に安い金額で欲しいアイテムが購入できることも多くあります。
売主も安くなった部分から一定の利益を得ることが可能となります。
・まとめ
成功した新規の事業モデルを見てみると、どのサービスも他社よりもスピーディーに新規の事業を展開しています。
また、古い体質のマーケットを大きなデジタルシフトで新たな市場を作り出していることが共通項です。
こう眺めてみるとまだまだデジタル化ができていないマーケットは多く存在します。
新規事業の成功例をしっかりと学びながら自社サービスの改革を実行していきましょう。
何よりも「スピード」を大切にしながら。
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